2017年夏号2

健康太一ミニコラム:2017年夏号2

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今回は、背骨に気を通す方法と猫背を簡単に癒す方法についての、ちょっとしたヒントのご紹介です

13 猫背を癒す簡単な方法

齢をとると、背中が曲がり、頭が下がり、肩が前方に傾き、いかにも「老人」といった姿になりやすいもの。嫌ですね! でも、近年は、老人に限らず、若い人にも、似たような傾向が見受けられます。デスクワークをしたり、パソコンやスマホをさわったりして、ついつい猫背になりがちです。

猫背になると、見た目に良くないのはもちろん、体にとっても、肩こりや腰痛の原因になったり、胸郭や腹部を圧迫し、心肺機能や内臓機能の悪化につながりかねません。また、深くゆったりとした呼吸が困難となり、自律神経系にも悪影響を及ぼす懸念があります。

そうならないためには、どうしたらいいでしょうか? 気功サークル中に、80代の男性の方からご質問を受けました。聞けば、胸が苦しく、喘息吸入器、治療薬のお世話になることもある、とのこと。

そこで、お答えした簡単な方法が、背中にちょっとした当て物をして、仰向けになって寝ることです。

試しに、手元にあった小さなマットを折りたたみ、背中に当てて寝てもらいました。高さの加減をお聞きすると、ちょっと辛いと仰るので、山をさらに低くして確かめてもらったところ、これなら気持ちがいい、と言われます。

そうして、10分ほど力を抜いて仰向けになってもらったところ、随分、楽になった、と、その効果に驚いておられました。

結局、やったことはといえば、胸を開き、前方に傾いていた肩を後方に引いてあげたことだけです。それも、ご自身の体の重みを使って。

体のどこかが痛い、苦しい、つらいとなると、私たちはついついお薬等に全面的に頼りがちです。でも、こんなちょっとした工夫で楽になることは結構、あるのではないでしょうか。

ご当人には、ご家庭でも、是非わずかな時間でも、日常的に実践していただくようお勧めしました。

フィットネスに関心をお持ちの方なら、ストレッチポール(ヨガポールとも)をご存知でしょう。これを背中に当ててもいいですし、これではキツイということでしたら、ハーフカットサイズのものを使ってもいいと思います。これもキツイということなら、このときに試したように、バスタオルか何かを丸めて適当な高さにしてもいいでしょう。ポイントは、自分にとって、気持ちのいい高さにすることです。

ストレッチポールとハーフカット写真

ストレッチポールとハーフカット

ただ、気をつけたいのは、首がガクンと下に落ちてしまわないようにすること。首こり、肩こりの人には、危険でもあります。そうならないよう、つらい思いをしなくてすむよう、枕の高さも調整して、適度な高さ、安全を保ってください。

胸が開く、姿勢が良くなる、ファンソンした(力が抜けた)状態で大地にスックと立つというのは、とても気持ちがいいものです。このようなちょっとした工夫も実地にしながら、お互い、健康な体づくりに役立てていきたいものです。

12 体の前後揺すりで背骨に気を通す

いまニコニコ太一気功の「やわらか気功」コースで体を前後に揺する功法をやっています。揺すると言っても、体に力を入れて無理やり動かすのではなく、力を抜いて、両手首を支点にして手を内旋・外旋させながら、その旋回する動きを背骨に上手に伝えて、前後に揺すります。

そう、丁度、背骨を波打たせるように。その際、手首の位置は、骨盤、鳩尾、胸の各ラインに置いて、やっていきます。

背骨は、体の縦の中心軸にあって中枢神経、末梢神経とつながる重要な入れ物ですから、ここが整うと体の諸機能が円滑に働くようになります。慣れてくると、気が足から背骨に伝わり、頭頂に上り、また降りていくのを実感できるようになります。

背骨とエネルギー図

背骨を波のように揺らす

もし体に固着があり、うまくいかない箇所が感じられたら、指先で軽くトントンして、やってみてください。歪みが取れていきますよ !

11 体のバランスを取り戻しましょう!
10 気功的平衡ということ
09 体の固着から解放されよう!
08 凝り固まった思い込みから解放されよう!
07 何かをするということ、何かをしないということ
06 体幹と末梢運動について
05 姿勢美人と中心力
04 “力ずく”とは、なんとも無粋
03 静止して動く!
02 “脱力”のちょいヒント
01 ありとあらゆるものにある開合のしくみ