健康太一ミニコラム:O脚が5分で治った!?

健康太一ミニコラム:O脚が5分で治った!?

 
O脚は治らないらしいね――テレビ番組を見てショゲ顔のCさん。でも、体をちょっと操作すると、開いていた両膝が急接近……

38 O脚が5分で治った!?

O脚図

膝の痛みや歩行困難に直結しやすいO脚に気をつけよう!(画像素材:いらすとや)

O脚は治らない!?……

サークル活動前の雑談。

O脚は治らないらしいね……

聞くと、テレビ番組で専門のお医者さんがそう仰っていたとのこと。Cさん、以前から、いわゆるガニ股を自覚していましたから、ショゲ気味のご様子です。

へぇ~、そうなんですか?……

残念ながら、そのテレビ番組を実際に見ていませんでしたから、どういう状況下でお医者さんがそう言われたのかはっきりしません。それで、そんな曖昧な返答しかできなかったのですが、整体の仕事をしていて、お医者さんがこれはもう治りそうもありませんとか、いますぐどうにもなりません(=さらに悪化すれば手術しましょう)、といっていたものが必ずしもそうでないことを、何度か体験していました。端的な例としては、こんなこともありました。

⇒ 10年間悩み苦しんでいる手足のしびれをなんとかしたい……

ちょっと体を操作してみると……

そんなことがありましたから、本当にそうなのかなあ、そうはっきりと断定していいものなのかなあ、と思い、

ちょっと、試しに体を動かしてみましょうか……

と、提案。体を実際に動かしてみることにしました。

といっても、大したことをしたわけではありません。

まず、まっすぐに立ってもらい、両膝の開き具合を確認したうえで、片方の手でお臍の上のほうを押さえ、もう一方の手でお尻を前に押し出すようにしたのです。

どういうことかというと、Cさん、一見しただけで、(以前と比べだいぶん良くはなっているのですが)ガニ股特有の、お尻が後ろに引かれ、反対にお腹が前に出、体重が足の小指側にかかる姿勢をしていました。“形態模写”でその姿勢を真似てみると、両膝は明らかに離れていきます。

それで、とりあえず、それを他動的に(=手を添えて)、姿勢が正しくなるように導いた、というわけです。

すると、たったそれだけで、膝が閉まらない、開いたままだと言っていたものが、明らかに、両膝が寄って、近づいてきたのです。

体の中心に力を集める

でも、まだ間隔は開き気味ですから、今度は、

息を吸って、お腹とお尻を締め、足の親指側に体重をのせ、体の中心軸に力が集まるようにしてください……

と言って、それを実行してもらうと、さらに両膝は寄り、もうすぐ接しようかというところまで近づきました。

この間、時間は5分もかかっていなかったと思います。

へぇ~、治るんですね……。

それが、Cさんが思わず発した言葉でした。

姿勢をよくすることの大切さ

前回のこのミニコラムで、左のふくらはぎの外側が痛くて困っているという事例を取り上げました。

⇒ 行き過ぎ、偏りに注意しよう!

前回の例では、作業での偏った体の使い方が不調の原因であったわけですが、今回の例は、長年、自ら積み上げてきた(?)姿勢の不良が、O脚の原因になっていた、というわけです。

ですから、その歪みを解消するように体を操作すると、治らない!と言っていた問題点が解消へと向かったのでした。

ただ、その試みが思いのほか効果を発揮したのは、Cさんがこれまでの数年間、サークルで体を動かし、柔らかくほぐすことをコツコツと続けてきたからだと思います。それがあったからこそ、体も素直に言うことを聞いてくれたのでしょう。

定期的な運動習慣を

ちなみに、Cさんがサークル活動を始めた当初は、もっと姿勢に偏りがあり、なぜかまっすぐに歩きにくい……とこぼしていたぐらいですから、まさに昔日の感があります。これがコツコツ永続的に運動をせず、そのままきていたら、こんなに速く効果を示す、といったことはあり得ないことだったでしょう。

お臍の上のほうを押さえ、もう一方の手でお尻を前に押し出すようにした……と簡単に書いていますが、胸や肩、首が固くても、背筋が固くても、呼吸筋が固くても、簡単に体が順応する、ということは難しいことなのです。体はすべて一つながりで、全体性のあるものなのです。

そういう意味では、Cさんがこれまで積み重ねてきた運動習慣がもたらした一つの立派な成果、というわけです。あとは、今回の件を良いきっかけにして、定期的な運動習慣をさらに続けるとともに、日常的にいい姿勢を心がけていくようにしてもらえたら、もっともっと体が整い、より健康体に近づいていくことができるでしょう。

そんなことを改めて感じたちょっとした出来事でした。(⌒-⌒)ニコニコ

37 行き過ぎ、偏りに注意しよう!

36 「呼吸」について(続)

35 「呼吸」について

34 健康、養生はまず「足元」から!

33 気功をしている人の手は綺麗!

32 トータルに「整体」しよう!

31 朝起きたとき、片目が開かない!?

30 前屈みや猫背の姿勢を真っ直ぐにする簡単な方法

29 気血の流れがよくなり20代に若返り!?

28 「脾」の季節に役立つ気功法

27 夏の暑さに負けない気功法

26 歳をとると、なぜ腰が曲がるの?

25 一生楽しめる健康法!

24 体を柔らかくする八卦柔身功

23 三骨軽打法について

22 甩手(スワイショウ)はどれくらいすればいいの?

21 百病を癒す甩手!

20 練功から煉功へ!

19 ”ただ立つだけ”で心身が整うの?

18 放鬆功で心の緊張を解放しよう!

17 結構すごい、ツボの効果!

16 気が流れると痛みが消えた!

15 “湿邪”から身を守ろう!

14 前後の甩手(スワイショウ)考

13 猫背を癒す簡単な方法

12 体の前後揺すりで背骨に気を通す

11 体のバランスを取り戻しましょう!

10 気功的平衡ということ

09 体の固着から解放されよう!

08 凝り固まった思い込みから解放されよう!

07 何かをするということ、何かをしないということ

06 体幹と末梢運動について

05 姿勢美人と中心力

04 “力ずく”とは、なんとも無粋

03 静止して動く!

02 “脱力”のちょいヒント

01 ありとあらゆるものにある開合のしくみ