10年間悩み苦しんでいる手足のしびれをなんとかしたい……

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10年ほど前、突然手足が動かなくなり、麻痺状態に…。病院を転々とするも病名は特定されず、そのため長期入院も不許可に。今もしびれが残り、困っている……

<原因不明といわれて苦しんできた手足のしびれをなんとかしたい……>

該 当 者: 30代 女性
該当部位: 手足
訴  え: 10年間悩み苦しんでいるしびれをなんとかしたい……

女性が、母親から「こういう施療所があるから、一度行ってみたら…」と勧められて、来院された。事の次第をお聞きすると……

働きはじめた10年ほど前に手足が動かなくなり、麻痺状態に。自分の意志では動かせず、慌てて母と病院へ行き、入院して調べてもらったが、はっきりとした異常性は窺えず、原因はよくわからない、もしかすると多発性硬化症かもしれないといわれ、投薬治療をすることになった。運動療法もして、幸い、このときは徐々に動かせるようになった

しかし、4、5年ほどして仕事が変わってしばらくした頃、また症状が再発してきた。このときは手すりにつかまって一歩歩くのがやっとというほどひどく、急いで大きな総合病院に行き診てもらったが、やはり原因がはっきりしない。原因が特定できない(病名がつかない)ため、3週間ほど入院した後、介助なしではとても歩けない状態であるにもかかわらず、退院を迫られた

病院では対応してもらえないので、やむなく母親と一緒に近くの公園に行き、一歩一歩、懸命に歩くようにした。2、3メートル歩くのに30分ほどかかる有様だったが、それでも半年ほど努力していると、徐々に徐々に動けるようになってきた

とはいえつらい状態であるのには変わりなく、すがる思いで、今度は有名な麻痺の専門医に行って、詳しく診てもらった。しかし、ここでも原因がはっきりせず、どうにか歩けていることもあってか、特に異常はない、と判定された

それから多少落ち着いたり、ひどくなったり、季節に関係なく、波があり、今に至るが、現在も両手両足がしびれる。とくに左側がひどい。なぜなのか……、快復するあてはあるのだろうか……

「手足がしびれる原因で、何か思い当たるようなことはありませんか」と水を向けると、「特に思い当たるようなことはない」とのこと。ただ、物心ついた頃から冷え性で、手足が冷たく、皮膚が弱かった。働き始めた頃からは、腰も重だるい感じが続いていた。スポーツは特に苦手というのではなく、中学生時代は運動部に入ってやっていた。体をどこか打つとか痛めるとか特別に事故や問題があったことはない、とのことだった

また、手足のしびれでよく指摘されるような、頚椎症や胸郭出口症候群、腰部脊柱管狭窄症などに起因する特徴的な症状も、明確には伺えなかった。もっとも、そういうものがあれば病院のほうですぐにも対応していただけた、ということなのだろうが……

<見立て~施療>
体のあちこちに変調が…

お話を伺ったあと、早速立位の姿で体をチェックすると、右肩が下がり、頭部は右前に傾いている。重心は明らかに右足にかかり、本人もそう感じている。関節各部での気の詰まりが全身に及んでいる。リストチェックでは、手首から指先にかけて冷たい。前腕には肌荒れが散見される。指先の気の流れをみると、右手5本の指と左手第2、3、5指に変調が窺える。また経絡的には肺・大腸経と腎・膀胱経に異常が感じられる。影響・被影響の度合いをみると、腎経が主影響部のようである。腹部の観察チェックでは、肺、心、肝、脾、大小腸、腎・膀胱部に変調が窺える。チャクラチェックでは、第1、第2が弱く、第3から第6チャクラにかけては非正常回転している。足の指もみてみると、左右ほとんどの指で気の流れの変調が窺われ、足の甲には肌荒れが散見される

左右の坐骨位置が2センチ近く食い違い…

変調が多方面に及び、どこから手をつけたものか見当がつかず、FT(フィンガーテスト)で判定すると、背部からが適当と出たので、伏臥位になってもらい、施療をスタート

体の動揺をみると、骨盤部、下肋部、上背部ともに右に動揺。右肩周辺の凝りが強い。頸椎は上部が右に、下部は左へと動揺。膝は、両膝とも内に入り、特に左膝のほうが内旋が強い。試しに左膝を他動的に下(床)向きにすると、背中の下部の動揺は少し収まるが、背中上部については依然動揺が止まらない

坐骨の位置を左右比べると、左が足方にいき、右は頭方にいって、差が2センチ近くある。足の裏をみてみると、両足とも外反母趾がひどく、第1、第2の指が重なり合い、指先も丸まっている。足先は冷たく、両足とも3か所皮硬した箇所がある。先のリストチェックで影響の大きさが窺えた腎経の足裏の要穴である湧泉を調べると、左右とも変調が窺える。そこで湧泉の補瀉調整(生命エネルギーの流れの調整)をするとともに、ホットパッドを使って右足裏と左足甲部を温める

右腸骨、左仙骨・尾骨部辺りに強い圧痛…

次いで、脊柱を細かくチェックしていくと、胸椎3番、4番の右側が重苦しく、5、6番左側付近に軽度の圧痛、10番に変調が窺え、11番右側に圧痛。さらに右腸骨上辺にかけて圧痛が強い。また左仙腸関節部と下部尾骨よりにも圧痛が強くあり。「この辺はすごく緊張が強いですね」と言いながら施術していると、突然本人が、「そういえば、小学生の頃から尾骨の辺りが当たって体育坐りができなかった」と思い出したように語ってくれた

あれこれするなかで、試しにこの左仙腸関節部と下部尾骨の部位を、意識で1グラムほどの軽い圧をかけ隙間を少しあけるようにすると、右腸骨上辺の圧痛と上体の動揺が収まることがわかった。続けて、仙骨、尾骨のバランスを整える作用があるといわれる64ヘルツのオットーチューナー(音叉)の振動を使って、左仙腸関節とその下部の調整を試みるも、期待したほどの効果は得られず。先に左脚をほぐしてから、再度調整を試みることにする

左足裏、足の指をていねいにほぐしてから、膝の屈伸など脚全体をほぐし。同様にして右の足・脚ほぐし。その結果、坐骨位置の左右差は1センチほどに縮まる

続けて、左右の腸骨の高低差(左が浮き、右は押されている)を右腸骨を浮かすようにしばらく軽く揺すった後、タオルを下にあてて高さを調整すると、本人「アレッ、しびれが消えた!」とのこと

この状態で、次に第2チャクラと関係する天然石のカーネリアンを、左仙腸関節とその下部付近に当てて、軽い振動を数分間与えると、同部の圧痛が消え、左右の坐骨位置も揃う。タオルをはずしてもシビレは再現せず、背中上部の動揺も収まった

胸部と腹部の問題を調整

続けて、背部から後頚部、後頭部をほぐし、仰臥位になってもらう

脚部、膝部をほぐしたあと、上半身に移る。すると、胸骨の任脈膻中から玉堂付近にかけてと、鎖骨下の左右の肺経中府、雲門に強い圧痛があるのが判明。右手第1指の肺経少商に瀉、左手の同穴と第5指小腸経少沢に補の補瀉調整(生命エネルギーの流れの調整)を施したうえ、腹部を軽く足方へ圧し、腹圧が働きやすくするようにすると、胸骨の圧痛が消失。中府、雲門の圧痛も軽くなる。これは腹部の活性度が不十分なためと思われ、腹部をホットパッドで温めるようにしたうえで、前頸部を柔かくていねいにほぐし

気持ちがよく、寝てしまいそう…

次いで、側頭部に移ると、乳様突起部から顎関節、下顎骨関節突起周辺に圧痛があり、こちらは、天然石のアクアマリン(喉のチャクラを活性化するといわれる)を圧痛箇所に向けてほぐすと、ある程度楽になる。顔面部に移り、口の周りや、頬の周辺、額部の固いのをていねいにほぐし。そのあと、頭頂部から後頭部をほぐし。本人、とても気持ちがよく、寝てしまいそう、とのこと

変調の多くがひとまず解消…

術後、チャクラをチェックすると、全て正常回転となる。立位のチェックでも、左膝、左足首、右肘、右手首、それに腎経絡を除き、ほぼ正常化。本人に聞くと、つらかった左足のしびれが消え、左手も楽になった、体全体がとても軽く楽になり、冷たかった両手も温かくなったと喜ばれていた

問題は、この施療の効果がどの程度持続するかだが、10日間ほど経過をみてもらい、それを踏まえたうえで、次回は、改善が十分にみられなかった部分も含め、引き続き施療を重ねることとする

(次回018に続く)

⇒ 10年間悩み苦しんでいる手足のしびれをなんとかしたい……(続)